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内燃機関超基礎講座 | 風呂にくさびにボールに切妻屋根?——燃焼室形状のいろいろ

  • 2020/06/27
  • Motor Fan illustrated編集部
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(PHOTO:BMW)

混合気を効率的に燃やすための燃焼室形状には、エンジン草創期以来さまざまな形状が試みられてきた。吸排気ポートの向きや数と考え合わせて、どのような形にするか。主な燃焼室形状をご紹介しよう。

 圧縮行程にあるピストンが上死点付近まで上昇し、混合気を燃焼させる部位が燃焼室。エンジンの基本的熱効率を左右する圧縮比を決定する部分であり、熱損失の多くが発生する部分でもあるため、形状の決定は非常に重要である。ガソリンエンジンの場合、バルブやポートの配置に燃焼室形状が左右されることから、エンジン設計で最初に検討される箇所でもある。

■ バスタブ型
バスタブを裏返したような形状の燃焼室。バルブ軸が直立しており、多気筒になってもすべてのバルブが一直線上に配置されるため、生産性が高い。欧米ではパンケーキ型とも称する。
■ ヘロン型
シリンダーヘッドではなくピストンに凹みを設け、そこを燃焼室とするもの。古いガソリンエンジンや直噴式ディーゼルエンジンに見られる形式。バルブは垂直作動し、バスタブ型同様の特徴を持つ。
■ ウェッジ型
バスタブ型のバルブ軸が傾いた形状で、横から見て不等辺三角形のくさび形をしていることからつけられた名称。カウンターフローのエンジンはこの形式を採る。点火プラグが燃焼室の隅にあるため火炎伝播距離が長く、燃焼時間も長くなる。
■ 多球型
2バルブの燃焼室で採用される方式で、吸排気バルブまわりおよび点火プラグまわりそれぞれに半球の空間を設ける設計。ピストン冠面形状によらず、燃焼室容積を小さくする(つまり高圧縮比)ことができる。
■ 半球型
字義通り半球形状の燃焼室。吸排気バルブを大きくとることができ、点火プラグを比較的燃焼室の中央近くに配置できることから燃焼期間が短くなり燃費に有利である。クロスフロー形式でないと実現できないため、古くは高性能エンジンの代名詞となっていた。派生型として基本的な半球燃焼室に加えて吸気側と排気側、プラグ周りを個別の球形で形成した多球型がある。
■ ペントルーフ型
横から見て二等辺三角形の燃焼室形状。4バルブDOHCとセットで構成される形状で、センタープラグが実現できるなど、現時点では理想的といわれている。
■ 深皿型
直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室の形状で、ピストン側に設けた比較的深いキャビティをもつ皿形の燃焼室をいう。空気の流動を利用して燃料と空気の混合をよくする必要があり、中高スワールと深皿形燃焼室の組み合わせが採用される。空気流動をより効果的に利用するための形状としてトロイダル(環状)形、リエントラント形などがある。

ウェッジ型の例。日産L型。
多球型の例。GMのシリンダーヘッド。
半球型の例。クライスラーのシリンダーヘッド。燃焼室左右にはスキッシュエリアが設けられている。
ペントルーフ型の例。現代のエンジンはほぼ全数がこちらと言って差し支えないほど普及している。
ディーゼルエンジンの深皿型リエントラント式の例。現代の乗用車用ディーゼルエンジンについても、ほぼ全数がこちら。

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