F1のイメージを受け継ぎながら生まれたバイエルン生まれのV8
M3に積むS65(V8)とかつてM6に積んでいたS85(V10)は、ベースを同じくするエンジンだ。BMWのエンジニアがM5用のエンジンを設計する際、最初に決めたのが単気筒の大きさ=500ccだったという。500cc×10で5LのV10が、500cc×8で、4LのV8ができたというわけだ。
V10がデビューしたのが2005年、そのV10の2気筒を切り落としてV8にしたS65がデビューしたのは2007年のことだった。V10(S85)は、当時参戦していたF1との繋がりをアピールしたが、実際にF1用V10との技術的関係は、V10というエンジン形式以外にはない。
ただし、ブロックはF1エンジンが作られていたのと同じドイツ・ランツフート工場で生産されている。ボア×ストロークもショートストロークで、バルブトロニックでも直噴でもないが、とにかく徹底して高回転高出力を追求したエンジンだ。エンジン重量はS65が202kg。S85が240kgと軽量に仕上げられている。

S65のピストンとバルブ周り。バルブ駆動は直打式。メカニカルタペットの上部にはDLCコーティングが施される。ピストンはピン、およびリング込みで481.7gと軽量だ。

S65/S85とも各気筒独立したスロットルを持つ。レスポンスを重視するスーパースポーツ用エンジンだからだ。

排気マニフォールドは、高圧フォーミング製法によるもので0.8mmの薄さ。V8では4-1の集合構造をとっている。
BMW S65B40 主要スペック
エンジン形式:V型8気筒DOHC
排気量:3999cc
ボア×ストローク:92.0×75.2mm
圧縮比:12.0
最高出力:309kW/8300rpm
最大トルク:400Nm/3900rpm
吸気方式:自然吸気
シリンダーブロック/ヘッド材:アルミ合金
吸気弁/排気弁数:;2/2
バルブ駆動方式:直動
燃料噴射装置:電子制御燃料噴射
VVT/VVL:In◯/Ex◯/×
点火順序:1-5-4-8-7-2-6-3


