ランボルギーニが2年連続で“グリーンスター”アワードを受賞

ランボルギーニはイタリアで一番環境に優しい企業!? 2年連続でサステナブル賞に輝いた謎

アウトモビリ ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEO
アウトモビリ ランボルギーニは、2022年4月26日に2年連続で「グリーンスター賞」を獲得したと発表。写真はステファン・ヴィンケルマンCEO。
ドイツの研究機関が厳格な評価基準に基づきサステナブルな企業を選出する「グリーンスター賞」に、アウトモビリ ランボルギーニが2年連続で輝いた。世界に冠たるスーパースポーツメーカーが、「環境に優しい」と評価された理由とは。

ドイツの研究機関による“太鼓判”

アウトモビリ ランボルギーニの拠点
アウトモビリ ランボルギーニは、2010年にエミリア・ロマーニャ州最大規模の太陽光発電システムを設置している。

アウトモビリ ランボルギーニは2022年4月26日、サステナブルな企業に送られる「グリーンスター賞」を2年連続で受賞したと発表。高性能スーパースポーツカーを送り出す同社が、何故イタリアで最も環境に配慮した会社のひとつとして選ばれているのだろうか。

グリーンスター賞は、ドイツ品質・財務研究所(ITQF:German Institute for Quality and Finance)とハンブルクの経営・経済研究所(IMWF:Institute for Management and Economic Research )が共同で選出するアワード。ふたつの団体は複雑かつ詳細なオンライン調査を実施し、環境への影響を最小限に抑え、グリーンな経済戦略に最も力を入れている企業を毎年「グリーンスター」として選出している。

同機関は調査にあたり、2000の企業を対象に、100万件以上の文献を収集。環境、経済、社会的サステナビリティ、イノベーション、テクノロジーなど、30の側面から評価を行ってきた。

100%電気で走る第4のランボルギーニも投入予定

ランボルギーニ・パークの空撮写真
2011年に本社近くに設立したランボルギーニ・パーク。1万5000平方メートルの敷地に、1万本の樫の木を植えた。

アウトモビリ ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOは、今回の受賞について次のようにコメントを寄せた。

「2022年に改めてグリーンスター賞をいただけたことを、大変誇りに思います。我々は長く(グリーン戦略に)取り組み続けてきました。初期の2009年に行動計画を立案し、2015年にはカーボンニュートラルな生産拠点として認証を受けています。この取り組みは今日まで継続しており、現在はますます高い意識をもってそれを実行しています」

「2030年を見据えた私たちのプランにもそれは示されています。それはすなわち“Direzione Cor Tauri,(コル・タウリに向けて)”の名のもとに推進している方針であり、数年のうちに全てのモデルでハイブリッド化を実現しつつ、第4の車種となるフル電動モデルを追加するというものです」

1万本の樫の木を植えたランボルギーニ・パーク

ランボルギーニ・パークの養蜂場
ランボルギーニ・パーク内には、13個の巣箱を設置した養蜂場が存在する。蜂の行動を観察することで、周囲の環境の状態をモニタリングし、環境汚染の状況を調査している。

ヴィンケルマンCEOが述べた通り、ランボルギーニでは2009年以来様々な環境プロジェクトを推進してきた。

同社は2010年、エミリア・ロマーニャ州最大規模の太陽光発電システムを設置。2011年には、サンタアガタ・ボロネーゼ市、ボローニャ大学、ボルツァーノ大学、ミュンヘン大学の協力を得て、本社近くにある1万5000平方メートルの敷地へ広大なジオパーク「ランボルギーニ・パーク」を設立。CO2の吸収源として、1万本もの樫の木を植えた。

さらに、二酸化炭素(CO2)を有効活用するエネルギー供給システムの「トリジェネレーション・システム」と、プラントから供給される冷水・温水・蒸気を使って冷暖房などに活用する「地域暖房システム」を採り入れることで、2015年にCO2ニュートラル企業としての認証を獲得。会社の敷地面積が倍増した現在でも、この評価に変わりはないという。

ミツバチを飼育して環境をモニタリング

ランボルギーニ・パークの養蜂場で生まれた蜂蜜
ランボルギーニ・パークにおける養蜂は、“サンタアガタ産蜂蜜”という副次的なプロダクトも生み出している。

2016年にスタートした取り組みは、とりわけユニークだ。前述のランボルギーニ・パークに13個の巣箱を設置し、約60万匹のミツバチを飼育。ミツバチの活動をモニタリングすることで、ランボルギーニの生産工場や周辺地域の環境汚染状況を観察・記録している。ちなみに、このモニタリング活動は副次的な“恩恵”を社員にもたらしている。それが、毎年400kg以上生産されるランボルギーニ認定蜂蜜。サンタアガタ産の特別な蜂蜜は、クリスマスになると社員にプレゼントされているそうである。

カーボンやレザーは積極的にリサイクル

ランボルギーニの廃材を利用したレザー製品
ランボルギーニはボローニャのカルティエラ組合と協力し、製造工程で生まれた廃材を使ってレザー小物を製作している。

また、2020年には生産活動で発生する特殊廃棄物の56%をリサイクルすることに成功。ひとつ目はカーボンファイバーなどの炭素繊維の再利用である。生産工程で使用できなくなった炭素繊維の一部は、フォルノボ・ディ・タロにある技術研究所に引き渡され、炭素繊維複合材加工の技術者育成に活用されている。また、このプロセスで発生したカーボンファイバーは、ランボルギーニが主催するイベントの際にカスタマーやゲストへ配るお土産を作る際にも使用されているという。

検査に通らなかった訳ありレザーも再利用されている。サイズ的な問題があったり、小さな傷があるために使用できない素材は、小ぶりなレザーグッズへと生まれ変わる。この活動はボローニャ州マルザボットにある「カルティエーラ(Cartiera)」との契約により実現したもの。カルティエーラは、廃棄される予定だったレザーや布の副産物を回収・再利用しており、廃棄物から作られたアクセサリーはサンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ・ストアで独占販売されている。

スーパーカーを作る企業としての責任

ランボルギーニのカーボン廃棄物再利用イメージ
ランボルギーニは、カーボンファイバーの再利用を積極的に実施。車両用パーツはもちろん、ファクトリーを仕切るパネルや台車などにも活用している。

ロジスティクス(流通)面でもCO2削減を図っている。例えば、ウルスのボディシェルの輸送で生じる排ガス量は、鉄道利用により85%削減することができたという。

ことほど左様に、ランボルギーニは官能的なスーパースポーツカーを送り出す一方で、社会的責任をまっとうするべく、陰日向で細やかな環境活動を日々続けてきた。今後は、プロダクトや工場、ロジスティクス、サプライチェーンなどを全て含めた企業活動全体でのカーボンニュートラル化を目標に掲げ、さらに取り組みを深化させていくという。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…