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Gulfstream G650 / Bentley Bacalar
バカラルをイメージした航空機製作のアイデア

プライベートジェットサービスを展開する、フレックスジェット社のオーナーを務めるケン・リッチ氏は、10年以上にわたってベントレーを愛用してきた。長い両者の関係の中で共同製作した車両も多数あることから、彼はビスポークのパーソナライゼーションを、航空機業界に応用できないかと考えるようになった。
今回、リッチ氏はベントレーマリナーのデザインチームとともに「バカラル・プロジェクト」に取り組みんだ。非常に希少で、彼自身が所有するベントレー バカラルにインスピレーションを得て、2機の新しい航空機を作り上げたのだ。
バカラルはマリナーがコーチビルディングへ回帰したことを象徴し、特別にパーソナライズされた12台の車両、英国・クルーで働くマリナーの職人チームによって、丁寧にハンドクラフトされた。今回、リッチ氏が所有するバカラルのユニークな仕様を反映した、特別仕様の「ガルフストリーム G650」プライベートジェットと「シコルスキー S-76」ヘリコプターが製作された。
リッチ氏のバカラルを再現した2機の航空機

リッチ氏が彼のバカラルに選んだのは「ジュレップ」というレアで特徴的なオプションカラー。このカラーにインスパイアされ、フレックスジェット社のカメレオン塗装にユニークな変化が加えられた。通常はレッドゴールドのカメレオン塗装だが、この2機はメインアクセントにシルバーグリーンのカメレオン塗装が選ばれている。
インテリアはリネンとベルーガレザーで縁取られ、コッパーヘッド型とバスケット織りのステッチが施されたバカラルのシートが、ガルフストリーム G650のカスタムシートやシコルスキーS-76のシートにインスピレーションを与えている。
バカラルのパネルには樹齢5000年の再生リバーウッドが使用されており、両機のパネルにも同種の木材を導入。サテン仕上げのバカラル・ブロンズの備品がキャビンを飾り、カーペットにはユニークなダイヤモンド彫刻も施されている。
今回、リッチの車両の製作が続くなか、最初のオリジナル・バカラルが、ニューヨークへのフライトを前に、英国のファーンボロ空港でバカラル仕様のガルフストリーム G650を出迎えた。一方、S-76は2022年8月、モントレー・カー・ウィーク内の「ザ・クエイル」で一般公開された。
リッチ氏がこだわり抜いた世界に1台のバカラル

このラグジュアリーな航空機のパーソナライゼーションは、前述したように、リッチ氏が所有するバカラルにインスパイアされた。ジュレップのエクステリアカラーで仕上げられ、ダークグレーサテンにポリッシュ仕上げとアークティカハイライトを施したカスタムメイドの22インチホイールを装着。鮮やかなエクステリアに、モノトーンのコントラストを与えている。
ヘッドライトのセンター部分は、サテン・ブロンズの外装部品と同色で、ウエストレールやサテン・カーボンのリアデッキの縁取りにも使用。ボンネットベントは、ウィングミラーと同様にサテンカーボンファイバーで仕上げられ、視覚的なアクセントになっている。
フロントシート後方の「パワーハンプ」、サイドスカート、リヤディフューザーにもサテンカーボンファイバーを採用。サテン・ブロンズのアウターとマット・ブラックのインナーを持つエキゾースト・フィニッシャーが、リヤセクションを演出した。
ホワイトとブラックの美しいインテリア

リッチ氏のバカラルのインテリアは、バカラル・ブロンズをアクセントにしたホワイトとブラックのキャビンが、印象的でコンテンポラリーなテーマでまとめられている。
グロスブラックにオープンポアのリバーウッドが張られた、二色のパネルがキャビンを流れるように囲む。インテリアのすべてのパネルとディテールは、カスタマーの好みに応じて選択され、レザーとアルカンターラは、ホワイト、ブラック、ブロンズ、ブラック、ダークティント、ブライトクロームのグロス仕上げ、さらにサテンカーボンファイバーを慎重かつ複雑に組み合わせた。
バカラル・ブロンズのレザーがトップロールのフォルム、ステアリングホイールのセンターライン、ヘッドレストの周囲にアクセントを追加。さらに、シート後部の楕円形のパーフォレーションが施されたベルーガのパイピングが施され、ドアからセンターコンソールまで続くハンドクロスステッチがスタイリッシュなラインを描いている。