ハコスカ、ベレット、パブリカ‥‥ 小規模ながら名車揃いな道の駅イベントが開催された! 【昭和平成なつかしオールドカー展示会】

2022年に初開催され好評だった旧車イベントが2023年にも続けて開催された。道の駅かぞわたらせを舞台に、50台前後と台数は少ないものの気軽に名車と接する貴重なチャンスになったようだ。
PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
道の駅かぞわたらせで開催されたイベントの模様。

近年では町おこしなどの一環として開催されることが多くなった旧車イベント。商店街や広場を舞台とすることが多いものだが、道の駅で開催されることも増えてきた。2023年4月9日に埼玉県の「道の駅かぞわたらせ」で開催された「昭和平成なつかしオールドカー展示会」もその一つ。主催が道の駅かぞわたらせであり、立ち寄った人なら無料で見学できるとあって、駐車場にはひっきりなしに見学目的の車両が訪れていた。

午前10時の開場を前に参加者による開会式が行われた。
道の駅かぞわたらせの支配人が開会の挨拶。右は協力クラブ日本旧軽車会代表の吉崎 勝さん。

今回のイベントは関東近郊で精力的に活動する日本旧軽車会が協力することで実現した。1回目は2022年の開催であり、その時が好評だったことを受けて2度目が開催されたのだ。日本旧軽車会は各地でこのような形で協力を行うほか、自ら主催団体となって旧車イベントを年に何度も開催している。

いずれも見学は無料であることが多く、展示される旧車も参加費が無料もしくは格安なことが特徴。商業主義ではないことから道の駅側としても開催場所を提供してくれるのだろう。

スカイラインGTRクラブのメンバー車両。
ダイハツ・コンパーノ(左)、トヨタ・パブリカと2台の希少なオープンカーが並んだ。

展示されたのは国産旧車の王道である日産スカイラインGT-Rを筆頭に、ダイハツ・コンパーノやトヨタ・パブリカのオープンモデルなど見応えのあるものばかり。本来はマナー違反だからしてはならないが貴重な名車に触れることができる距離で見られるとあり、見学する多くの人たちから歓声や賛辞の声が聞こえてきた。

日本旧軽車会のメンバー車両が敷地内にズラリと並ぶ。
シザードアにされたダイハツ・コペンが並んで会場の目印代わりになっていた。

協力クラブの筆頭が日本旧軽車会ということで軽自動車の展示も多かった。メインは360cc時代の古いモデルたちだが、それらに混ざって660cc規格のモデルも並んでいる。特にダイハツ・コペンをシザードアに改造したモデルたちは同クラブの主催イベントで顔的な存在になっていて、会場の目立つ位置に並ぶことが多い。見学に来る人たちへ目印のような存在になっているのだ。

シボレー・コルベットスティングレイやVWゴルフなど輸入車も数多く参加した。
圧巻の1953年式ロールス・ロイス。
ケイターハム・スーパーセブンといすゞベレットが並ぶ珍しい光景。
ロータス・ヨーロッパ(左)とMG-B、2台のイギリス車が並ぶ。
フロントフードとエンジンフードを開けたフェラーリ・モンディアル。
日本に1台(?)しかないというツェンダップ・ヤヌス(左)とメッサーシュミットは乗り込み可能だった。

展示されたのは国産旧車ばかりでなく世界各国の名車たちも集まった。日本旧軽車会代表である吉崎 勝さんの人脈によるところで、国産車にはない華やかな雰囲気を楽しまれたことだろう。この日は参加者のサービス精神が大いに発揮され、フェラーリ・モンディアルは前後のフードを開けて内部を見られるようになっていたうえ、希望者がシートに座ることもできたようだ。

さらに国内での登録車はこれ1台ではないかと言われるツェンダップ・ヤヌスは特徴的なドアを開け放ち、やはり希望者が運転席へ座らせてもらえたことも好評。同様にメッサーシュミットにも乗り込むことができたため、顔を弾ませる女性や子供たちの姿が印象的だった。

見学に来る車両にも古いモデルが数多く見受けられた。

こうした旧車イベントの楽しみ方として、見学者として来る人たちのクルマにも注目してみるといい。一般の駐車場なのに時ならぬネオクラシックカーたちが数多く見られた。今回のイベントは一般に参加車を募集してなく、日本旧軽車会が事前に決めたクルマだけで構成された。

そのため来場者として訪問する旧車乗りも結構な数になったのだろう。会場だけでなく駐車場に目を向けてみるのも、また楽しいイベントだった。おそらく2024年も同時期に開催されると思われるので、見逃してしまってもチャンスはあるはずだ。

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著者プロフィール

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増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…