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Vol.29|エンジンオイルボックス組み立て
第29号のパッケージを開けたら、パーツと一緒になにやらお知らせの紙が入っている。そこには「第28号P7 ステップ3~14の組み立てを保留して戴きましたが……」という記述が! 28号のステップ3~14はまさに前回、硬いチューブに散々苦労させられた部分です。え? 組み立て保留? そんなのどこかに書いてあったっけ? ってか、もう作っちゃったけど……。
さて、Vol.29はエンジンオイルボックス組み立てです。前にも書きましたがNSXはドライサンプなのでエンジン下部にオイルパンはなく、オイルを溜めるタンクが別にあります。ふたつのパーツを組み合わせてオイルタンク本体を作り、エンジン右後ろに設置します。NSXのオイルタンクはここにあるんだな、ということがよくわかりますね。
別パーツのトップ部分にオイルフィラーキャップとレベルゲージの頭を差し込み、タンク上に設置します。次はインテークマニホールド中央のサージタンクにカバーをビス留めし、上から黒い樹脂カバーを被せます。
今回はもうひとつ、トランスミッション部分の上にある、ミッションオイルクーラーにオイルを送るポンプにコネクターを装着。そして以前に組み立てたオイルクーラーから出ているチューブの片側を差し込みます。やはりチューブは硬いですが、あまり曲げなくてもいい部分なので、スムーズに装着できました。
Vol.30|リヤセクションのサブフレーム
Vol.30の箱は過去一番の大きさ! あまりのデカさに、開封前の状態も動画に入れ込んでみました。厚さは約8cmで、タミヤのプラモの箱くらいの大きさがあります。これくらい大きいと開けるのも楽しみですね。開けてみたら今回はリヤ周りのサブフレームでした。長さは約22cm。かなりデカい! そして金属製なのでずっしりとした重量感です。リヤセクションのフレームだけでこれだと、完成したときには相当な大きさですよね。いや、1/8ですからわかってはいましたが、この先果たしてこの作業台に収まるのでしょうか……。
今号のヘリテージギャラリー|1987 PRELUDE
Vol.29のヘリテージギャラリーは3代目プレリュード。出ました! これぞバブル時代を代表するモテグルマです。低く構えたノーズにリトラクタブルヘッドライト、シャープなクーペフォルム、いま見てもカッコいいですね。この頃はこういったスポーティな2ドアが若者に人気で、「デートカー」なんていう言葉も生まれました。そのなかの一番人気が、このプレリュードだったのです。なにしろ1988年のS13シルビア発表時には日産が「プレリュードの独走を許すわけにはいかない」と挑戦状を叩きつけたくらいですからね。ちなみにボクはS13の方を買いました。ごめんなさい。理由は、シルビアのほうがモテそうだったから……ではなく、もちろんFRだったからです(本当です)。
さて、この3代目プレリュード、デザインだけでなく世界初の逆位相を含む4WS(4輪操舵システム)、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション、アンチロックブレーキなどホンダ独自の数々の新技術を採用したことでも話題となりました。
4WSの構造は機械式で、前輪切れ角約10度までは同位相に最大1.5度まで切れて、そこからさらに切り込んでいくと切れ角は小さくなっていき、今度は逆位相に切れていきます。そして前輪切れ角約35度で最大3.5度の逆位相となる仕組み。つまり高速域のレーンチェンジなどではステアリング舵角が小さいので同位相、ステアリングを大きく切るのはほぼ低速での旋回だから逆位相、という発想で舵角対応式としたのですね。
この機械式4WS搭載車は最小回転半径が非搭載車より0.5m小さい4.8mを実現するなど、それなりの効果はありました。しかし、その後スーパーHICASなどの電子制御式4WSが登場すると、明らかにそちらのほうがシステムとして優れていたため、ホンダの機械式4WSは市場から姿を消してしまいました。結果的には失敗といわれてしまった技術でしたが、新技術に対するホンダの積極性はやはり素晴らしいものだったと思います。