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販売台数・売上高・利益率のすべてが増加
今回発表された売上高は2020年から19%も増加し、過去最高の19億5000万ユーロに達した。新モデル投入に支えられた効率的な経営が、営業利益をかつてない水準に押し上げた形だ。
営業利益率は2018年の2倍以上となる20.2%を記録。この優れた業績は2020年(2億6400万ユーロ)に比べ49%増と、大きく伸びた3億9300万ユーロの営業利益を反映したもの。ランボルギーニは同社史上最高額の投資(今後5年で18億ユーロ、すべて自己資金)を含む積極的な戦略計画の一環として、今後はさらに挑戦的な財務目標を設定しており、22〜25%の利益率増加を狙っている。
世界販売台数は405台(2020年比13%増加)に達し、過去最高を記録。ランボルギーニが事業を展開する3地域では、アメリカ(14%増)、アジア太平洋(14%増)、EMEA(欧州・中東・アフリカ:12%増)とすべての地域で二桁以上の成長が見られ、地域別の販売台数もそれぞれ34%、27%、39%とバランスよく分布している。
ウルスがトップとなる5021台を販売
国別の販売台数では、トップが米国(2472台、11%増)、2位が中国(935台、55%増)。以下、ドイツ(706台、16%増)と英国(564台、9%増)が続いた。ランボルギーニの母国イタリアでも4%増加し、359台をデリバリーしている。
モデル別ではスーパーSUVのウルスが好調を続け5021台を販売。V10エンジン搭載のウラカンは追加モデルの「 STO」が呼び水となって販売台数が大きく伸びて2586台を達成している。また、V12モデルのアヴェンタドールも798台がデリバリーされた。
アウトモビリ・ランボルギーニ会長兼CEOを務めるステファン・ヴィンケルマンは、この好調な業績について次のようにコメントした。
「ランボルギーニは、創業以来最高の販売・財務実績を実現しました。それは、今日のような新たな不透明性の時代への対応に必要な、堅固な経営基盤をもたらしてくれています。そして私たちはウクライナで起きていることに深い悲しみを感じ、民主主義的な価値観の下、戦争が速やかに終結することを願っています」
内燃機関時代から電動時代への過渡期
今後、ランボルギーニは数ヵ月内にウラカンとウルスに、それぞれ2種類ずつニューモデルの発表を予定。これをもって純内燃機関の時代に別れを告げ、2023年のアヴェンタドール後継モデルのデビューとともにハイブリッド時代に移行する。
昨年ランボルギーニは、おうし座で最も明るい星にちなんで名付けられた意欲的な戦略「コル・タウリ(Cor Tauri)」を発表。この戦略のもと、ランボルギーニはDNAを維持しつつ電動化に段階を経て移行する。
第1段階はハイブリッド化。最初のハイブリッド量産モデルを2023年に発表し、2024年までに全モデルのハイブリッド化を完了し、二酸化炭素排出量50%削減を目指す。第2段階は2020年代後半に開始を予定している完全電動化で、ハイブリッドのモデルラインナップに加え、4モデル目のフル電動モデルが登場する予定となっている。