TOYOTA GAZOO Racingからエントリーし、トヨタGRヤリスにカーNo.1をつけて初日をトップで終えたのは、開催地でもある愛知県出身の勝田範彦選手だ。今大会の参戦車両は全日本ラリー選手権で使用されていたクルマだが、今回はWRCに参戦するトヨタのワークスマシンと同じカラーリングが施されている。
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの育成ドライバーとして、今シーズンのWRCにフル参戦している勝田貴元選手の父親として知られているが、範彦選手の父親も元WRCドライバーである勝田照夫氏。勝田家は三世代にわたるラリードライバー一家だ。
勝田範彦選手が全日本ラリー選手権にフル参戦を開始したのは、1993年。徐々に頭角を現し、特にターマック(舗装)路面のラリーを得意としていたことから、“ターマックキング”として知られるようになり、その後、グラベル(未舗装)でのパフォーマンスも上がり、2007年に初めて全日本チャンピオンに。さらに2010年から4連覇を達成するなど、第一線で活躍を続けている。
長年、スバルのマシンをドライブしてきた勝田選手だが、今年はTOYOTA GAZOO Racingに移籍。トヨタGRヤリスで全日本最高峰クラス、JN1クラスでのフル参戦に挑んだ。今年の序盤はなかなか結果につながらずに苦しいラリーが続いたが、中盤から3連勝を果たすと一気にポイント争いの上位に浮上。最終戦までもつれこんだ激戦のタイトル争いを制して、自身9度目、GRヤリスにとっては初めての全日本ラリーでのタイトルを獲得した。