突然だが、日本で初めて新婚旅行に行ったのは坂本龍馬なのだそうだ。高度成長期の日本の新婚旅行、もっとも古い僕の記憶では、関東なら神奈川県の熱海。もちろん僕は生まれてはいないが。その後、テレビで「♬フェニックスの浜辺~♬」などと放送され、宮崎になった記憶がある。僕らの時代はグアムやハワイだ。1ドル360円の固定相場は終わり、変動相場となり1ドルは230円あたりだったかな。日陰に入ると涼しく過ごしやすいハワイ。いまでも天国であることには変わりはないのだろう。というわけで、今回のお題「常夏のハワイを求めて、コーヒーを淹れてみる」。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)
コーヒーにハワイを求めて……
ハワイのコナコーヒーを楽しみたいと思い、珈琲豆を売ってくれる専門店へと行ってみた。
ところが、である。コナコーヒーは高級品なため200gで4000円を軽くオーバー。それも注文販売で、その場では買えない。値段を考えると、なくてホッとしたのですが、それは内緒。
まぁ、コナコーヒーでなくてもフレーバー珈琲なら良いなと思ったのだが、フレーバー珈琲は中挽きはあるのだが、粗挽きがない。なぜないのだろう?
店員さんにいろいろと相談してみる。
「フレンチプレスとパーコレータでフレーバー珈琲ですか? 煎れている人はあまりいないと思うのですが。でも、やってみたいのですね?」と珈琲に詳しい店員さん。笑いながら提案をしてくれる。僕の子どもよりも、当然若い彼女。だが、まるでいたずらっ子を微笑みながら見ている母親のような眼なのである。
「甘くなりますが、フレーバーシロップを使う方法はどうでしょう?」
「珈琲はどの銘柄にいたしますか?」
一番癖のないのがいいと思うのだけれど、となるとブルーマウンテンなのかなぁ。
「わたしもブルーマウンテンが良いと思います。特売になっておりますし」
いやいや、特売と言ってもブルーマウンテンだぜ。いったい、いくらのフレーバー珈琲になるのやら。
では、まずはフレンチプレスの構造。結婚式の引き出物でも一世を風靡した(このハナシがわかる人がいかほどいらっしゃるか……)あの紅茶ポットと構図は同じで、ポットとその中をスライドする金属製のネットで構成される。このネットをスライドさせることにより、摘出を終えた珈琲や紅茶の葉をこすわけだ。
日本では紅茶でおなじみだが、どうも最初は珈琲用として発明されたらしい。ググってみるとフレンチプレスというくせに、イタリアの人が考えたとも書いてある。まぁ、何処の国で考えられたものでも、楽しく美味しければ文句はないが。ちなみに最近では、簡単に出汁をとるのに使われたりもするらしい。
さぁ、使ってみよう。色々な煎れ方があるのだろうけれど、なるべくドリップ式に近い方法を考える。フレンチプレスでも珈琲の量はドリップ式と変らない。計量して2杯分を蓋を外してポットの中へ。お湯は2杯分、約400mlを別のケトルで沸かす。
ランチはホットドック。アクセントはカラムーチョ
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