デビュー年でいきなりチャンピオン獲得のレーシングカーが『トミカ』に登場!

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.13 日産 フェアレディZ NISMO GT500

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?


No.13 日産 フェアレディZ NISMO GT500 (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

2022年11月第3土曜日に、それまで『トミカ』の『No.13 日産 GT-R NISMO GT500』に代わって登場した『No.13 日産 フェアレディZ NISMO GT500』は、『トミカ』のシリーズ番号順で一番最初に登場するレーシングカー(レース専用車両)になります。車名の最後の『GT500』とは、全日本GT選手権を前身として2005年より開催されている自動車レースの選手権シリーズ、『スーパーGT(SUPER GT)』シリーズにおける参戦車両の参戦クラス区分を示しています。『スーパーGT』シリーズは、車両の改造度合いによって“GT500”と“GT300”の2つのクラスに分けられており、双方のクラスの車両が同じコースで同時に走行――混走――して行なわれるレースです。

日産 Z GT500(NISSAN Z GT500)実車フロントビュー(2022年仕様)
日産 Z GT500(NISSAN Z GT500)実車リヤビュー(2022年仕様)

さて、『スーパーGT』シリーズは、スーパーフォーミュラと並んで国内最高峰の自動車レースです。その高い注目度から、国内外の様々な自動車メーカーが参加しており、日産自動車(以下、日産)も全日本GT選手権開始の時から現在までずっと参戦し続けています。その日産のモータースポーツ活動全般を担うのが、『ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(通称・NISMO/ニスモ。以下、NISMO)』と呼ばれる日産のモータースポーツ専門会社です。

テスト走行中の日産 Z GT500。『トミカ』と同じカラーリング。実際のレースではそれぞれのチームカラーに塗られて走っている。

さて、『スーパーGT』シリーズに対して日産とNISMOは、日産の代表的なスポーツカーであるGT-RとフェアレディZを、その時々の事情にあわせて交互に使用してきました。『スーパーGT』シリーズになる以前の全日本GT選手権の時代、まず、これもまたGT-Rになる以前のスカイラインGT-Rで日産とNISMOは参戦を開始します。その後、スカイラインGT-RからGT-Rへ移り変わる間、一時的にスカイラインGT-Rの生産が中止されるに伴って、スカイラインGT-Rに代わってフェアレディZが2004年シーズンから投入されました。乱暴に言えば、『スーパーGT』シリーズに参戦できる車両は、その年に市販車が販売されていなければなりません。スカイラインGT-Rが販売中止になっている間は、スカイラインGT-Rで参戦することは出来ないのです。こうして投入されたフェアレディZは2007年シーズンまで使用され、2008年の『スーパーGT』シリーズで、新生GT-RをベースにNISMOが仕立てた『日産 GT-R NISMO GT500』が登場し、2021年シーズンまでサーキットを席巻しました。しかしまたしてもGT-Rが2022年で生産終了となったため、2022年シーズンからフェアレディZが投入されることになったというわけです。

NDDP RACINGの『CRAFTSPORTS MOTUL Z 』(カーナンバー:3/ドライバー:千代勝正/高星明誠)

2022年シーズンから投入されたフェアレディZの『スーパーGT』シリーズ専用レーシングカーは、『トミカ』では『日産 フェアレディZ NISMO GT500』という商品名になっていますが、実際には『日産 Z GT500(NISSAN Z GT500)』という名前で登録されています。レーシングカーはルールによって最大サイズや作り方が細かく定められているので、大きなルール変更が行なわれた時以外は、ほとんど同じサイズや重量、最大エンジン出力やトルクになるため、『日産 Z GT500』は2021年シーズンまで使われた『NISSAN GT-R NISMO GT500 』と数字的には大きな変わりがありません。

TEAM IMPUL の『カルソニック IMPUL Z 』(カーナンバー:12/ドライバー:平峰一貴/ベルトラン・バゲット)

初投入された2022年シーズンの『スーパーGT』シリーズではNDDP RACINGの『CRAFTSPORTS MOTUL Z 』(カーナンバー:3/ドライバー:千代勝正/高星明誠) 、TEAM IMPUL の『カルソニック IMPUL Z 』(カーナンバー:12/ドライバー:平峰一貴/ベルトラン・バゲット) 、NISMO の『MOTUL AUTECH Z 』(カーナンバー:23/ドライバー:松田次生/ロニー・クインタレッリ) 、KONDO RACINGの『リアライズコーポレーション ADVAN Z 』(カーナンバー:24/ドライバー:佐々木大樹/平手晃平) の4台の『日産 Z GT500』がシーズンを戦いました。

NISMO の『MOTUL AUTECH Z 』(カーナンバー:23/ドライバー:松田次生/ロニー・クインタレッリ)

『日産 Z GT500』のデビューレースとなった岡山県の岡山国際サーキットでの開幕戦は23番の『MOTUL AUTECH Z 』が3位表彰台を獲得したほか2台の『日産 Z GT500』が入賞と好スタートを切り、三重県の鈴鹿サーキットでの第3戦で3番の『CRAFTSPORTS MOTUL Z 』が早くも初優勝。同じく鈴鹿サーキットでの第5戦では12番の『カルソニック IMPUL Z 』が優勝して日産/NISMO陣営は鈴鹿サーキットでの5連勝を達成。続く宮城県のスポーツランドSUGO での第6戦では3番の『CRAFTSPORTS MOTUL Z 』と23番の『MOTUL AUTECH Z 』が1-2フィニッシュを飾ります。

KONDO RACINGの『リアライズコーポレーション ADVAN Z 』(カーナンバー:24/ドライバー:佐々木大樹/平手晃平)

こうして『日産 Z GT500』は快進撃を続け、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行なわれた最終第8戦で12番の『カルソニック IMPUL Z 』が優勝、『日産 Z GT500』はデビュー・イヤーにして見事にシリーズチャンピオンを獲得したのです。これは日産/NISMO陣営として7年ぶりとなるシリーズチャンピオンとなります。合計3回の優勝を成し遂げた『日産 Z GT500』は速さと強さをレースで実現し、その成果としてシリーズランキング1位、2位を獲得したのです。2023年シーズン以後の『スーパーGT』シリーズでも、『日産 Z GT500』は活躍を見せてくれることでしょう。

デビュー初年度でシリーズチャンピオンとなったカーナンバー12、『カルソニック IMPUL Z 』のTEAM IMPUL、平峰一貴選手(右端)とベルトラン・バゲット選手(左から2人目)。

『トミカ』の『No.13 日産 フェアレディZ NISMO GT500』は実車のレーシングカーらしさをよく表現しています。ちなみに黒いカラーリングは特定のチームのものではなく、例年、日産とNISMOが共同で開催するモータースポーツ活動発表会で公開されるマシンに施されるもので、一般に“プレスバージョン”と呼ばれるカラーリングです。

■NISSAN Z GT500 (2022) 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4725×1950×1150

ホイールベース(mm):2750

車両重量:1020kg以上

エンジン形式:型 NR4S21型 直列4気筒直噴ターボ

排気量(cc):1998

最高出力:405kW(550ps)以上

最大トルク:490Nm(50kgm)以上

リストリクター: NRE燃料リストリクター

トランスミッション:トランスアクスル6速シーケンシャル

サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドカーボンディスク

タイヤ:(前) 30/68-R18 (後) 31/71-R18

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.36 BMW i4(サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2022年11月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.13 日産 GT-R NISMO GT500』に代わって『No.13 日産 フェアレディZ NISMO GT500』が登場します。また、それまでの『No.36 ダイハツ ロッキー』に代わって『No.36 BMW i4』が登場します。なお、『No.36 BMW i4』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.36 BMW i4(初回特別仕様)(サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。

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