あの人気の国産スポーツカーの代表格、2代目も『トミカ』になっています!

あのスポーツカーの最新モデルが『トミカ』に登場! トミカ × リアルカー オールカタログ / No.86 トヨタ GR 86

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.86 トヨタ GR 86 (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

『トミカ』にNo.86は、商品ナンバーと同じ名前を持つトヨタのスポーツカー、『GR86』です。もともとGR 86は、2012年に「スポーツカーを持つ夢や、走る楽しさを知ってもらいたい」という願いから、ドライバーの感覚ひとつで思いのままに取りまわせる「手の内感」や「操る楽しさ」を体感できる「直感ハンドリングFR」をコンセプトに誕生したスポーツカー、トヨタ86の2代目後継車となります。86はSUBARU(スバル/旧・富士重工業)との共同開発車で、スバルBRZとは兄弟車になり、スポーツカー好きの愛車としてはもとより、チューニングやスタマイズして自分だけのオンリーワンの仕様を楽しんだり、ラリーやワンメイクレース、ジムカーナ、ダートトライアルといった様々な参加型モータースポーツのレーシングカーのベース車として使用されるなど、世界で累計20万台を超える86が「ドライバーの相棒のようなクルマ」として活躍しました。その好評をうけて2021年に登場したのが2代目モデルとなるトヨタ GR 86です。

トヨタ GR86 実車フロントビュー(RZ/2021年モデル)
トヨタ GR86 実車リヤビュー(RZ/2021年モデル)

GR86は86の2代目モデルですが、数字の前にGR(ジー・アール)という文字が入っています。これはトヨタのレーシングチームであるGAZOO RACING(ガズー・レーシング)の活動で得られた様々な経験や知識、技術などを市販車に反映させ、その市販車を販売して得た利益でレース活動を行なう社内カンパニー(独立採算制事業部門)であるGRカンパニーが展開するブランド――GRブランド――を表しています。ちょっと雑な説明ですが、GR86は単なる86の2代目モデルではなく、トヨタのモータースポーツ専門会社であるGRカンパニーが、こだわりのチューニングで走りの味を追求した専用車であり、普通のトヨタのスポーツモデルとは一味違うことを表しています。そして「スポーツ性能に特化した、更なる高い次元でのダイレクトで気持ちのいい走り」の実現を目指して作られています。

まずGR86の外観デザインですが、ベルトラインから水平に通ったフェンダートップは“FRスポーツ”を主張する造形となっています。水平に低く通ったアンダーボディとキャビン後部の絞り込みにより、意のままの走りを想起させるワイドなスタンスと低重心が表現されています。フロントにはGRブランド専用の『FUNCTIONAL MATRIX GRILL(ファンクショナルマトリックスグリル)』が採用され、機能性とエモーショナルさの表現を両立。また、車名ロゴが先代から一新されています。

GR86のインテリア。水平構成で見やすく操作しやすく、運転視界も広い。

インテリアは水平に構成されたインパネとスイッチなどの操作系が最適配置され、運転に集中できる空間が実現されています。メーターは『BOXERメーター(7インチカラー+LCD液晶メーター)』と呼ばれ。水平対向エンジンのピストンの動きをモチーフにしたオープニングアニメーションが流れる演出が映えます。また、メーター表示が走行モード別に変化。NORMALモードでは円形のタコメーター内にスピードが大きく表示され、SPORTモード(AT車のみ)ではタコゲージの先端やリングが赤色に、TRACKモードではレーシングカーのメーターのように回転数などが大きく表示され、スポーティな走りを視覚からも演出しています。軽量なフロントシートは、体をホールドする部分が独立したパッド形状とされ、さらにスポーツ走行による前後左右Gにも耐えうるよう、グリップ性に優れた素材をシート表皮に採用。クルマとの一体感を感じられるような座り心地が実現されています

GR86に搭載されるFA24型水平対向4気筒DOHCエンジン。先代は2.0ℓのFA20型だったが、排気量がアップして、よりパワフルなものとなっている。
先代同様、GR86も重心の低い水平対向エンジンを搭載する。

エンジンは86と同様に水平対向エンジンで、「軽量コンパクトかつ低重心」という特長はそのままに、2ℓから2.4ℓへの排気量アップにより動力性能が向上。0-100km/h加速性能が7.4秒から6.3秒に高められたほか、レスポンスを向上させて高回転域までストレスなく伸びるフィーリングが実現されています。また、燃料を燃焼室に直接噴射する“筒内直接噴射”と吸気ポートに噴射する通常の“ポート噴射”の2種類を、運転状況に応じて最適に制御する専用ツインインジェクターを備えた『D-4S』を採用。吸気・排気効率を高める可変バルブタイミングを搭載した水平対向エンジンとの融合がはかられています。

先代比で横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%向上させたボディは、フロントフェンダーとエンジンフード、エンジンアンダーカバー、ルーフにアルミ材が使用され、軽量設計が徹底されている。

パッケージ、サイズは先代ほぼそのまま、プラットフォームも同様ですが、更なる低重心化が進められ、回頭性も向上しています。街乗りから限界走行まで、どんな速度域でも「走る楽しさ」が感じられる性能を目指し、ボディ剛性も向上。先代比で横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%向上させて、高速コーナーでの軽快なハンドリングなど、優れた操縦安定性能が確保されています。また、高張力鋼板の拡大採用をはじめ、フロントフェンダーとエンジンフード、エンジンアンダーカバー、ルーフにアルミ材を使用して、軽量設計が徹底されています。

GR86に採用されている様々な空力アイテム。これらのパーツやアイテムにはモータースポーツ参戦車両からの知識や経験が反映されている

ボディまわりの空力アイテムとして、モータースポーツ参戦車からフィードバックされたフロントエアアウトレットをはじめ、サイドシルスポイラー、ダックテールなどを採用。実車走行評価や風洞設備での検証が繰り返し実施され、フロントの接地性やリヤの安定性をはじめ、優れた操縦応答性と安定性が確保されています。

単に楽しいだけのスポーツカーではなく、安全・安心なカーライフが送れるよう、様々な安全装備や運転支援システムが用意されているのもGR86の特色の一つ。

これらに加え、安全・安心なカーライフをスポーツカーでも実現するため、SUBARUの運転支援システム『アイサイト』を採用(AT車のみ)。通常走行における安全サポートや衝突回避、あるいは被害軽減に貢献するプリクラッシュブレーキなどの安全装備が搭載されています。

『トミカ』のNo.86は、この『No.86 トヨタ GR 86』が2021年に登場する以前は、ご想像の通り初代86(後期型)が販売されていました。この先代モデルに負けず劣らず、『No.86 トヨタ GR 86』は、フロントグリルの小さなGRマークなどに至るまで、この人気の高いスポーツカーの魅力を小さいサイズの中に的確に再現しています。コレクションに加えたくなる1台です。

■トヨタ GR86 RZ 6速MT 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4265×1775×1310(アンテナ含む)

ホイールベース(mm):2575

トレッド(前/後・mm) :1520/1550

車両重量(kg):1270

エンジン形式:FA24型水平対向4気筒DOHC

排気量(cc):2387

最高出力:173kW(235ps)/7000rpm

最大トルク:250Nm(25.5kgm)/3700rpm

トランスミッション:6速MT

サスペンション(前/後):ストラット / ダブルウィッシュボーン

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク

タイヤ:(前後) 215/40R18

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部